2009年07月30日

ガンバレ理系男子! 細田監督最新作「サマーウォーズ」

理系離れが叫ばれて久しい感のある、今日この頃。特に基礎研究分野はお金や成果に表れにくい部分であり、世界的不況の中で企業や大学でも縮小傾向と危惧されている。

一方、先日ドイツで開かれた国際数学オリンピック。日本は5人が金メダルを獲得し過去最高の2位。理学分野の将来に期待が高まるニュースだった。

これは何かの符合だろうか。
この夏公開のアニメ映画「サマーウォーズ」。その主人公は数学が唯一の取り柄と言う高校生・小磯健二である。


舞台は現代と思しき日本。時はまさに夏休み。
主人公・健二は数学オリンピックの日本代表に落選したショックを引きずりつつ、友人と部室のパソコンの前でバイトを始めようとしていた。−−世界中を繋ぐデジタル仮想都市「OZ(オズ)」−− その「OZ」の「末端の末端の末端」のメンテナンス業務が、彼らの夏のササヤカな思い出となるはずだった。
その矢先に部室にやってきたのは、憧れの先輩・篠原夏希。「バイトしない?」と言う夏希に誘われるがままに健二がやって来たのは、彼女の実家である長野の田舎。ナント夏希のフィアンセを演じるというのが、バイトの内容! 老若男女、大勢の親戚が続々と集まる中、ひとり流されるままの健二。
その夜、彼に届いた奇妙なメール。何百桁にもなる数字の羅列、これは一体? 夜明けまでかかって夢中で数式を解いて導き出した解答、その返信メールから健二たちの「熱くてやさしい夏」がはじまった・・・

s-wars.jpg

「時をかける少女」の細田守が手掛ける3年ぶりのこの映画。製作はマッドハウス、キャラクターデザインに貞本義行、脚本に奥寺佐渡子と前作からの面々。そして主題歌は山下達郎。初の長編オリジナル作品と言うこともあり、どんな映画が期待が高まる一方である。


・・・と言うことで、待ち切れずに豪雨の中を先日試写会に行ってきましたw
開場前は長蛇の列だったものの、上映前の席は8割程度の入り。まあそんなモンでしょう。ここから「時かけ」のように評価がジワジワ浸透していくかは、作品次第。



で、以下ネタバレもあるのだが、

まず第一印象は、全体的にしっかり整っているという点。導入部、広大で華やかなネット空間「OZ」の紹介から始まり、主人公、そしてヒロインの登場。夏希と彼女の大家族に巻き込まれていく健二とともに、見る側も作品世界に巻き込まれていく。
ほのぼのとした日常描写から一転、一通のメールから始まる「OZ」の崩壊、そして現実世界に訪れる世界崩壊の危機。やがて立ち上がる陣内家の人々、「クイーン・オズ」と「キング・カズマ」の決闘、そして世界の運命を賭けた一世一代の花札勝負!(こいこい!) 笑いと涙、山アリ谷アリの物語は、フィナーレまで飽きさせない。

特に物語中盤、男連中が「クイーン・オズ」を倒すべく奔走する場面は、疾走感とともに手加減を知らない野郎共の暴走っぷりが楽しいw その現実世界の勢いが「OZ」に出現する超ド級の城郭要塞で表現され、ネットと現世とに一体感を生んでいる。

のは確かなのだが、最後の花札勝負、大家族がテレビの前に勢揃いしてWiiやってる(ようにしか見えない)というのは。。。まあでも、世間一般的には「Wiiで自分のキャラ(=アバター)を動かす」というのが、仮想現実の表現として一番しっくり来るのかな? 個人的にはピンと来なかったけど。
しかもこの場面では夏希以外のキャラは完全に背景(というか質草)だし、家族の「つながり」という意味ではちょっと弱い。雁首揃えてナニやってんだか・・・(そういう意味ではピンチになるまで傍観していた世界中の人たちも同様)
それと、健二の見せ場が弱いなぁと。数学の日本代表!(候補)と言えど、現実の健二は紙と鉛筆でヒイコラしてる訳で、そこでコイツ凄えっっっ!という「見せ方」をしないといけない。夏希や佳主馬は「OZ」の世界で派手な立ち回りがあるんだけど、、健二にもそういう場面が欲しかったかなと。

後はコレ個人的感想で、夏のヒロインは白のワンピと決まってるんですかね、そうですか。これに麦藁なんぞかぶってたらモロ典型的な夏少女なんだけど、今回はかぶってなかったのかな? まあでもカワイイから問題ないけどw



そういうわけで、本作の評価は「良質な良作」といったトコロだろうか。ちなみに「時かけ」については「良質な佳作」だと思ってるので・・・
まあ見ていて楽しいのは確かだし、理系男子を応援したい気持ちもあります。なのでエヴァもいいけど、こっちにも足を運んで見てはいかが。













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